最悪の結末 〜繰り返された悲劇〜




その日……Wrong前にできた新年を祝う神殿。


その前で一人の少女が、冒険者に

「 最近姿を消してしまったペットのヒツジ ”しーちゃん” を捜して欲しい 」

という依頼を持ちかけていた。




 

彼女の名前は Lena

最初は気楽な探索行だと思っていた。

だが、これが最悪の破局への序章だったのだ……。









Lena はパプアに在住しているという。

そこで、冒険者達はパプアで情報収集を行うことにした。



程なくして、パプア南西の厩舎に

しーちゃん” の情報を知るらしき人物がいるという情報がもたらされた。





 


厩舎にいたのは Galvin という厩務員。

彼によると、 ”しーちゃん” を数日前にミノックへと抜ける洞窟のそばで見かけたという。


Galvin にお礼を言い、ミノックへ抜ける洞窟へと向かう。












Galvin の情報どおり

ミノックへと抜ける洞窟のそばで


 


無事 ”しーちゃん” を見つけることができた。



ところが、彼(彼女?)はもう高齢からくる老衰状態であり、既に死期を悟っていた。


どうやら、飼い主である Lena にその死に目を見せて悲しませることをよしとせず、

一人で静かに息絶えるつもりだったらしい。




しーちゃん” は集まった冒険者達に、


Lena 『 悲しまないで、笑って 』 と伝えて欲しいと最期に言い残し、

静かに息を引き取った……。









 

我々は、パプアで待つと行った Lena のところへ戻った。



本当なら ”しーちゃん” が死んでしまったことを知らせずに、

なんとか ”しーちゃん” の伝言を伝えようとしたのだが……


それは上手く行かず、結局 Lena を大泣きさせてしまうこととなった。

だが、それでも Lena は ”しーちゃん” の伝言を聞き、涙を拭い、笑顔を取り戻す。




そんな Lena が 不意に顔を上げ、


なにか聞こえる、と


走り出した……。













Lena がたどり着いたのはパプア南門を出て少し西に行ったところ。


そこで 「 なにか聞こえる 」 と立ち止まった Lena と冒険者達。















その前に姿を現したのは一頭のゴリラだった。















彼(彼女?)も また これから己の身に降り注ぐであろう厄災を知り、

既に死期が迫っていることを悟っていた。


どうやら、Lena にはその死を看取ってもらいたいのか、

彼女の目の前で息絶えることを望んでいた。




ゴリラは集まった冒険者達に、そして Lena



『 僕は、これから ウジ虫以下のクソ野郎の放ったエナジーボルトによって死んでしまう。

  でも、悲しまないで、笑って 』




と言った、その瞬間……



HOIMIN : Corp Por - Energy Bolt



その言葉が現実となり、ゴリラは静かに息を引き取った……。




 

呆然とする Lena と一同。









でも、Lena

しーちゃん” そして ”ゴリラ” の最期の言葉を思い出す。












 『 悲しまないで、笑って 』















Lena は 涙を拭き、空を見上げる。



 私が泣いてたら、しーちゃんやゴリラさんが悲しんじゃうよね


 笑うんだよね、そうだよね、 しーちゃん、ゴリラさん



そう言うと Lena は ニコリと微笑んだ。


彼女は今、未来へと一歩を踏み出した ――――




























Lena、そして冒険者が去った現場に、

たった1人、たたずむ男がいた。




よくよく見れば

イベントサイトの「VIVA BUZOKU!」の管理人ではないか。



僕はあまりの嬉しさのため、挨拶をしに近寄った。










しかし、何か聞こえる。


人らしき人は彼しかいない。でも、何か聞こえるのだ。


僕は、耳を澄ました。











『 はは、今のは、久しぶりに怒りで手が震えるのを感じたよ・・・。

 目の前が真っ暗になるほどの怒りだと、人間笑うしかないのな。

 俺は画面のこちらで、我ながら薄気味の悪い笑いを抑えるのに必死だったよ……。




 おい、ゴリラ殺した ホイミンさんよ・・・。

 ともかく、てめえのその足りねえおつむで起こした行動が、

 その場にいた何人もの人間をこれだけ怒らせ、困惑させ、最低の気分にさせたんだ。

 さぞかし気持ちがいいだろうな、ええ?



 ……たった一人、貴様のようなヤツがいるだけで

 イベントってのは簡単にバッドENDになるんだよ。

 どうだ、イベントを崩壊させた気分は? 最高か?



 別に悔い改めろとか、反省しろなんて言わねえ。

 貴様の謝罪なんざ、これっぽっちも価値はねえし、

 どうせミジンコ以下の脳みそじゃそんな高度な精神活動なんざできねえだろうしな。




 だがな、これだけははっきり言っといてやる。


 てめえみてえなイベントといや戦闘しか頭に浮かばねえ小学生以下のガキは、

 せいぜいDoomにこもっててめえのケツの穴でも○ァッ○してろや、な?



 もう1ミリもイベントに来なくていいから。

 せいぜいご自慢のAFでも見せびらかして悦に浸ってろや、ド腐れオナニー野郎が! 』











この際 内容はともかく、ずっと1人で喋ってた姿に僕は


「イベント発生か?」


と思ってしまった。